始まりは、東京のビストロ。
料理の世界に入ったのは、華やかな舞台ではなく、毎日100食を回す小さなビストロでした。仕込みの量、提供のスピード、お客さんとの距離感。料理人としての身体をつくった場所です。
やがて、そのビストロはミシュラン・ビブグルマンの評価を受けます。評価されたことそのものより、毎日の積み重ねが認められた実感が、次の一歩を踏み出す力になりました。
やがて評価につながる。
その実感が、海外へ向かう動機になった。
Chef / Owner
始まりは、東京のビストロ。東京、パリ、シンガポールを経て、縁あって奈良・田原本へ。和牛を「焼く肉」で終わらせず、コースという体験で完成させるために、Restaurant niku を開きました。
「和牛を “焼く肉” で終わらせず、
コースという物語で完成させる。」
料理の世界に入ったのは、華やかな舞台ではなく、毎日100食を回す小さなビストロでした。仕込みの量、提供のスピード、お客さんとの距離感。料理人としての身体をつくった場所です。
やがて、そのビストロはミシュラン・ビブグルマンの評価を受けます。評価されたことそのものより、毎日の積み重ねが認められた実感が、次の一歩を踏み出す力になりました。
29歳でパリへ渡り、ミシュラン一つ星『Restaurant SOLA』にスーシェフとして入りました。日本人シェフが率いるパリの星付き店。和の感性とフレンチの技術が、一皿の中で自然に溶け合う現場でした。
ここで最も影響を受けたのは、個々の皿の完成度ではなく、コース全体をひとつの物語として設計する思考法でした。前菜がメインへの伏線になり、デザートが食後に余韻を残す。その「流れ」の設計は、今の niku のコース構成に直接つながっています。
シンガポールの飲食企業でエグゼクティブシェフ、その後マンダリン オーチャード ホテルで料理長を3年間務めました。プロポーズの夜、ビジネスの会食、国際的なレセプション。誰かにとっての「外したくない日」を毎日預かる仕事でした。
大きなホテルの厨房で学んだのは、創造性よりも安定感でした。100回やって100回同じクオリティを出せること。その土台があってはじめて、個人店で冒険ができる。シンガポール時代に磨かれたのは、料理人としての地力です。
2025年、奈良県田原本町に Restaurant niku をオープンしました。東京でもパリでもシンガポールでもなく、この場所を選んだのは、この土地の食材と向き合いたかったからです。
大和野菜、大和肉鶏、奈良の風土が生む力強い食材たち。それらを和牛と組み合わせ、フレンチの技法で仕上げる。都心の喧騒から離れた場所だからこそ、料理と向き合う時間が取れる。お客さんとの距離が近い。それが、自分が作りたかった店の形でした。
Philosophy
和牛は「焼いて食べる肉」として完成されています。
でも、温度を変え、ソースを添え、季節の野菜や魚介と出会わせたとき、
和牛が見せたことのない表情が生まれる。
その発見を、コースという形でお届けするのが niku の仕事です。